家の塗装について考える際、主に重視するのは外から見えやすく、多くの割合を占める外壁や屋根であるかと思います。
そのため、ベランダの塗装についてはあまり考えていない方が多いのではないでしょうか。
ここでは、ベランダを長持ちさせるための塗装として防水塗装というのを紹介していきます。
□ベランダに防水塗装が必要な理由とは?
ベランダの床は、多くの場合、新築時に防水施工がされています。
この防水層は、水の侵入を防ぎ、家全体を水害から守っています。
特に新築時の防水層は、FRP防水という方法で施されており、紫外線による劣化が進行することが知られています。
劣化した防水層は、隙間から水が浸入するリスクが高まります。
この水の浸入は、ベランダ下の軒や1階の天井から雨漏りの原因となり、家の構造そのものを脅かすこともあります。
雨漏りが発生すると、水で腐食した木部の交換など、大掛かりな修繕が必要となり、その結果、数百万円の莫大な工事費用がかかることも考えられます。
防水のメンテナンスは、「防水塗装」や「防水」として行われることが多いです。
しかし、知識や経験のない業者が提案する外壁用のペンキでは、防水効果は得られません。
防水専用の材料を使用することが絶対的に重要です。
ベランダの色褪せやひび割れ、剥がれ、膨れなどは、防水層の劣化を示すサインであることから、これらの症状が見られたら、早めにメンテナンスをしましょう。
特に、表面が膨れている場合や、雨漏りが発生している場合は、大工工事も必要となることがあるため、注意が必要です。
□ベランダ防水の仕組みとは?
*1.防水層の構造
ベランダの床面は、下地の上に「防水層」を形成し、その上に「トップコート」という保護層を塗ることで完成します。
また、合成ゴムや塩化ビニール樹脂の「防水シート」も使用されることがあります。
アスファルト防水という方法も存在しますが、ベランダにはあまり使用されません。
*2.防水層の種類
主に「FRP防水」と「ウレタン防水」があり、防水機能のある塗料を使用します。
また、「合成ゴムシート」や「塩化ビニールシート」も使用されることがあります。
これらの防水層は、10から15年前後で老朽化してきます。
そのため、定期的なメンテナンスが必要です。
*3.トップコートの役割
ベランダやバルコニーの床の防水層の表面には、「トップコート」と呼ばれる塗料が塗られています。
トップコートには、紫外線の脅威から防水層を守る役割があり、主に「ポリエステル系」と「ウレタン系」の2種類があります。
トップコートは5年ごとの塗り替えが推奨されます。
□まとめ
ベランダの防水塗装は、ベランダを長持ちさせるための重要なステップです。
防水層の劣化やトップコートの重要性を理解し、適切な対策を取ることで、ベランダの問題を未然に防げます。
適切なメンテナンスと定期的な塗り替えを行うことで、ベランダの寿命を延ばし、快適な生活を送る助けとなるでしょう。